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今回は私が実際体験した怖い話をお話させていただきます。 もう10年ほど前になりますが 小さな印刷工場で働いていた頃の忘れられない出来事です。 私の勤めていた会社は従業員20人程の零細企業でした。 時間に追われる仕事で、お客様の都合で終電まで仕事という事もざらでした。 ある日冗談好きの上司が、新入社員の女の子に怖い話をしました。 『 この会社で、昔自殺した奴がいる。 今でも夜中にそいつの幽霊がでるんだ・・・ 』 と。 しかし、そんな人物はいませんでした。新入社員をからかう為の作り話です。 私は口止めされており きゃあきゃあ言っている様子が微笑ましくて嘘だとは教えませんでした。 しばらくして、その子は 『 幽霊みちゃった!! 』 と言い始めました。 誰もいないはずなのに、す〜っと後ろを通り過ぎるというのです。 元の幽霊話が嘘だと知っていたので 思い込みから見えた気がするんだろうと思いました。 しかし、その後もその子は何度も幽霊を見たと言い しまいには他の人も目撃したと言い出しました。 しかも、だんだん姿が具体的になってきたのです。 最初はユニフォームのはしっこが目に入ったとか 何となく後ろを通り過ぎているという話でした。 次は、後ろ姿を見た、と。そして後ろから覗き込まれたという話になりました。 一瞬しか顔はみていないらしいのですが、社員の I さんに似ているのだそうです。 大体決まって深夜残業中、作業場でひとりになった時に見たという話でした。 皆凄い想像力だわ・・・ と感心したものです。 ある日私はいつもの様に深夜残業をしていました。 印刷する為の元版を感光・現像して作成するような作業です。 埃や光が入らないように、部屋は二重扉で隔離されています。 感光する機械の周りは遮光カーテンで仕切られていて ゴミチェックの為にカーテンの中に入って作業をしていました。 次のデータが出来上がるまでに今の作業を終わらそうとして集中している時・・・。 誰かが扉を開けました。 『 部屋の奥にある保管所に、版を取りにきたのかな・・・。 』 次の現像する工程の為にカーテンから出てみると I さんらしき人物が保管所に入るのが見えました。 でも、いつまで経っても I さんは戻ってこないのです。 3畳位のスペースなので、何の気配もないのはおかしい・・・ 思い切って保管所を覗きましたが、誰もいませんでした。 保管所は行き止まりなので、戻ってこなければ、消えたということなのか? 後で思い返すと、あれは幽霊ではなく・・・ 皆の集合意識が作り上げた幻影ではないかと思っています。 その後私は会社を辞めました。 今は当時の仲間と連絡も取らなくなりましたが。 もしかすると今でも、その何者かは、あの場所に現れるのでしょうか・・・? |