見慣れた景色
投稿者: 管理人


車の免許を取りたての頃
自分が運転する車で初めて彼女と夜景を見に行きました。
車で行くのが初めてというだけで、バイクで何度も行った事がある場所です。

山道を上ってスポットへ着きました。
平日だったからでしょうか、他に車は停まっていませんでした。
目前には何度も見た綺麗な夜景が広がっています。
彼女は初めて見る山上からの夜景に感激しています。

リクライニングを倒してくつろいでいると
ずっと夜景を眺めていた彼女が

『 その看板みたいな物が邪魔やなぁ・・
  よく見るとシルエットが人に見えへん?・・・ 』と言います。

ガードレールの向こうは
崖になっているので看板など立てるスペースはありません。

『 「 その 」 ってどれよ?・ 』 と、身体を起こして指差す方を見ると
ガードレールの少し向こうに黒いシルエットの女性が立っていました。

『 あれが見えてるの? 』 と、彼女の方を見ると
前方を凝視していた彼女が 『 早く車出してぇ〜っ!・・ 』 と叫びます。
直ぐにエンジンを掛けてその場を後にしましたが
帰りの道中、彼女は1言も喋る事はありませんでした。

その後、しばらくして彼女とは別れてしまいましたが
夜景やあの日の話は彼女の口から語られる事はありませんでした。



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