声を掛けてきた者は?
投稿者:伊 織 様


伊織さんより直接聞いたお話3話目です。


大学生の頃、1人でアパートに住む
友達の所で4人でマージャンをしていた時の事です。

1階に6件。2階建てのアパートだったので
2階と合わせると12件という建物だったのですが
随分とボロいアパートで住民も少なく
2階の彼の部屋以外は1階の一部屋に住人が居るくらいで
辺りも少し家があるくらいの田んぼばかりの静かなアパートでした。

そのようなアパートでしたので
階下や両隣に遠慮する事なくわいわいマージャンを楽しんでいた時の事です。
『 もう少し静かにできへんか? 』 と窓越しにおっちゃんの姿が見えました。
少し驚いた私達でしたが 『 もうすぐ終わりますので・ すみません・ 』
と、丁寧に挨拶をするとスッと右の方へ姿を消しました。

『 もう夜も遅いから苦情がきても当たり前やで・ 』
『 周りに人気がないから大丈夫やと思ってたんやけど・・ 』 などなど
それぞれ3人で思い思いの事を喋っている時
住人が1人下を向いたまま黙っています。

近所の方に迷惑が掛かった事を気にしてるのかと思い
『 ごめんごめん! 周りの事を気にしてなかった俺らがアホやったわ・・・ 』
と、私自身慰めの言葉を掛けたつもりでしたが
相変わらず下を向いたまま黙っています・・・

『 もうお開きにしよか! 』 と住人の機嫌を伺うように
肩に手を当てたところでようやく住人が顔を上げました。

『 お前ら・ 何か不思議に思えへんか?・・・ 』

他の3人は『 ・・・??? 』です。


『 今のおっちゃん・ この世の者ではなかったやろ?
   後ろが透けて見えてたし・・ それにココ2階やで! 廊下も
 人が通れるような所もないのにどうやって窓から顔が出せんねん・・・・ 』


言われてみて初めて不可解な事に気が付きました。

でも、おっちゃんの姿は何気なく見ていただけなので
透けている事までは解りませんでしたが
人が覗ける事の無い2階なのは事実です。

『 今日は皆泊まっていって 』 と言う住人の頼みで
4人で一夜を明かす事になりましたが
それから朝までは何事もありませんでした。

住人はその後しばらくして引っ越しましたが
今でもあのアパートがあるのかどうかは分かりません・・・



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