其の六十三 太郎と花子 ・


季節の変わり目が急な程不可解な体験をするなんて事はありませんか?・


先日、残暑日から急に気温が下がった日の事です。
お風呂に入って下半身はパンツ1枚という姿で
あぐらをかいて晩酌をしていた時左足太股の下に違和感を感じました・
何気なく太股を上げてみると太股と床の間に大きなゴキブリが居ました・

「 たろう・  いつの間に太郎がこんな所に・・ 」

何故か管理人は昔からゴキブリの事を太郎とよんでいました・
理由は定かではありません・ その日の内に2匹目に遭うと2匹目の名が・・・

素早く太股を上げるのと同時に左手の平で太郎を捕まえました。
潰してしまわないように手の平にくぼみを作り床と手の平の間で捕まえている訳です。
この部屋には太郎用の殺虫剤はありません・・
ティッシュも手に届くところにありません・・・
って・ 管理人は何が苦手かと言うと・ 太郎を潰す感触が嫌なのですよねぇ・・
ティッシュなどで捕まえて潰した時のあの感じは嫌ですよね・・・

「 下がジュウタンなのでこのまま潰す訳にもいかないし・ 」

「 手を離したところでうまくフローリング上で仕留められるのだろうか?・ 」

などなど・  いろいろな事が頭に浮かびます・
足でティッシュの箱を手繰り寄せて少し多い目にティッシュを取りました。
手を離してからフローリングに追い込んでなど
捕まえる様子を簡単に頭の中でイメージしてから素早く手を離しました。
さぁフローリングの方へと思ったのもつかの間・
手を離した瞬間・  太郎の変わり果てた姿がそこにありました・・・・・・

ほろ酔い気分の身体・ 利き手ではない左手で・
素早く動く太郎を無傷で捕らえる事など至難の技だったのですよねぇ・・
ウエットティッシュでジュウタンを綺麗に拭いたりと後処理が大変でした・

その後、晩酌を済ませてそのまま部屋の隅で雑魚寝していた時
ほうと首筋の辺りに違和感を感じて夜中に目が覚めました・・・・・・
何気なく頭を上げて枕元を見ると・・
薄明かりの中で黒々と輝く体から長いショッカクがゆらゆらと揺れています・・

はっ・   花子・・・

もうどうでも良いわという気持ちでもう1度枕に頭を戻そうとした時
睡眠を邪魔されたという事に対してだんだんと怒りが込み上げてきました・・

なんでお前らみたいな奴等に起こされらなあかんのじゃぁっ!!!

と・ 言い終わるのと同時に利き腕で放った怒りのデコピンが花子に炸裂!!!
壁に当たって床に落ちた花子はピクリとも動く事はありませんでした・・・・

死骸は朝起きた時に片付けるとして
早く寝ないと起きる時がしんどいという思いでもう1度横になりました。

「 カッっとなったけどまた寝られない程目が覚め切らなくてよかった・ 」

と・・   思って再びまぶたを閉じた時・・・



カサカサッ・    カサカサッ・・・   」 という音が聞こえてきました・・





「 さっ・・   三郎???・・   ・????・・・ 」





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