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小学生の頃のお話です。
暑い夏も終わり秋へと季節が移り変わった頃、学校からの帰り道で 何時も同じベンチの同じ所へ座っているおじいさんを目にするようになりました。 おじいさんを見るようになり数日間は異変には気付きませんでしたが ある日を境におじいさんの隣におばあさんが座るようになりました。 何時ものように楽しそうに会話する 老人2人を横目で見ながら家へと帰る日々が続いていたある日 たまたま友人と2人でおじいさんが座るベンチの前を通ったことがありました。 楽しそうに喋っているおじいさんを横目に通り過ぎた時 『 今日もあのおじいさん座ってるわっ! 何時も1人で喋ってきっとボケてるんやろなぁ? 』 と、友人。 1人でって?・ 今もおばあさんと2人で楽しそうに喋っていたのに・ どうやら友人にはこの世の者でないおばあさんの姿が見えていないようです・・・ ある日、学校からの帰りではなく 夕方遊び疲れて家へと帰る途中にベンチの前を通ると ベンチから立ち上がり こちらに背を向け1人家路に付くおじいさんの姿が見えました。 以前からの疑問も興味もありましたので 何気なくおじいさんに話し掛けてみることにしました。 『 こんにちは。おじいちゃん。 何時も楽しそうに話してるおばあさんは友達ですか? 』 と、管理人。 『 あんたにも見えてるんじゃな・ おばあさんは良い友達じゃよ・ 今では何も楽しみが無くなった老人の唯一の楽しみじゃ・ でももうすぐ楽しみが増えそうじゃよ・ ボクは元気でな・・・ 』 と、言っておじいさんは家の中へ入って行きました。 数日後 おじいさんの家の前を通るとおじいさんの葬儀が行われていました。 |